『Tokyo middle 30』で描かれているのは、35歳という人生の分岐点に立った3人の女性です。
佐倉麻紀(仲里依紗)、山地遥(のん)、永野薫子(深川麻衣)。
高校時代からの親友でありながら、3人の性格や価値観、人生に対する考え方は大きく異なります。
だからこそ、3人が再会してからの会話にはリアリティがあり、「自分は麻紀に近い」「遥の気持ちが分かる」「薫子を応援したくなる」と感じる人も多いのではないでしょうか。
公式でも本作は、恋・仕事・家庭に向き合いながら、35歳という人生の分岐点で「自分らしい人生」を模索する3人の物語として紹介されています。(フジテレビ)
では、麻紀・遥・薫子はそれぞれどんな女性なのでしょうか。
今回は第6話までの展開をもとに、3人の人物像と、それぞれが抱えている本音を考察します。
※以下は第6話までの内容を含みます。
『Tokyo middle 30』の3人は、実は全員「思い描いた人生」と違う?
3人は高校時代、「東京でキラキラした人生を送りたい」と夢を見ていました。
ところが35歳になった現在、3人の人生は当時思い描いていたものとは少し違っています。
麻紀は結婚して子どもを育てる専業主婦。
遥はアパレルの仕事を続けながら、恋愛では新たな男性と出会います。
薫子は小学校教師として働きながら、結婚や家庭を望んできました。
一見すると、3人ともそれぞれ幸せそうに見えます。
しかし、実際には全員が「このままでいいの?」という感情を抱えている。
ここが、このドラマの面白いところです。
誰かが不幸で、誰かが成功しているわけではありません。
3人とも、自分の人生をもう一度考え直す時期に来ている。
だからこそ、3人の人物像はまったく違うようで、実は根っこの部分ではつながっているのではないでしょうか。
麻紀の人物像|強気に見えて、実は一番「自分」を取り戻したい女性
仲里依紗さん演じる佐倉麻紀は、容姿端麗で頭脳明晰。
いわゆる「才色兼備」の女性です。
もともとは結婚や出産よりも、自分の力でキャリアを築くことを優先し、東京でバリバリ働く未来を思い描いていました。
ところが妊娠をきっかけに仕事を離れ、現在は5歳の息子を育てる専業主婦。
夫・宗司は美容外科医でクリニックを経営しており、高級マンションで暮らす麻紀の生活は、外から見るとかなり恵まれているように見えます。
しかし麻紀自身は、心の奥底に「社会とつながっていたい」という思いを抱えていました。(フジテレビ)
ここが麻紀という女性の大きなポイントだと思います。
麻紀は家庭が嫌いなのではありません。
子どもを大切にしているし、夫を嫌っているわけでもありません。
それでも、
「私は母親になるためだけに生きてきたわけじゃない」
という気持ちが少しずつ強くなっているのではないでしょうか。
第5話では、以前の職場から仕事復帰の誘いを受けたことを夫に相談します。
しかし宗司は猛反対。
そのとき麻紀が「あなたは父親になって、何かを諦めたことがある……?」と反発したことは、彼女の本音が一気に表れた場面でした。(フジテレビ)
そして第6話では、麻紀はついに夫に内緒で働き始めます。(フジテレビ)
これは単なる「仕事復帰」ではなく、麻紀にとって自分の人生を取り戻すための一歩なのではないでしょうか。
強気で完璧主義に見える麻紀ですが、実は誰よりも「自分らしく生きたい」という気持ちを押し込めてきた女性。
だからこそ、これから麻紀がどこまで自分の人生を取り戻していくのかが大きな見どころになりそうです。
遥の人物像|自由奔放に見えて、実は一番「不安」を抱えている?
のんさん演じる山地遥は、3人の中でも特に自由な雰囲気を持っています。
麻紀や薫子のように「結婚して家庭を持つ」という人生設計を強く追いかけてきたわけではありません。
自分の気持ちに正直で、思ったことをそのまま口にするタイプ。
第4話では、藤川晃之助から旅行に誘われた際、麻紀と薫子から心配されます。
すると遥は、「そんな風に言い切れるのは、ふたりが自分の人生に満足しているから」と反発しました。(フジテレビ)
この場面は遥の人物像をよく表していると思います。
遥は「自由に生きたい女性」に見えます。
でも、本当に何も悩んでいないのでしょうか。
むしろ私は、自由でいようとしているからこそ、不安を抱えている女性なのではないかと考えます。
仕事や生活、恋愛。
何か一つに「これが私の人生」と決めてしまうことに怖さがある。
だからこそ、誰かから「こうしたほうがいい」と言われると、強く反発してしまうのではないでしょうか。
そんな遥の前に現れたのが、藤川晃之助です。
シンガポール在住で、アジアを中心にレストランチェーンを経営するハイスペックな男性。
公式プロフィールでも、遥をどんどん沼らせていく「白馬の王子」のような存在として紹介されています。(フジテレビ)
遥にとって晃之助との恋は、単なる恋愛ではありません。
もしかすると、これまで自由を選んできた遥が初めて「誰かと一緒に生きる」という選択を考えるきっかけになるのかもしれません。
ただし、ハイスペックな男性と付き合えば人生が安定するとは限りません。
最終的には、晃之助のスペックではなく、遥自身がこの恋愛で本当に幸せなのかが重要になりそうです。
薫子の人物像|「普通の幸せ」を誰よりも願ってきた女性
深川麻衣さん演じる永野薫子は、3人の中でもっとも堅実なタイプです。
小学校教師として働き、恋愛でも「結婚して家庭を持つ」という人生を思い描いてきました。
高校生の頃から、
「大学を卒業したら結婚、子どもは2人、猫を飼って、世田谷のマンションで暮らす」
という人生設計を持っていたほどの計画派です。(フジテレビ)
しかし、人生は薫子の計画通りには進みませんでした。
恋人・義孝との同棲生活は4年に及び、価値観の違いやコミュニケーション不足にも悩んでいました。
そんな2人に転機が訪れ、薫子の妊娠をきっかけに義孝がプロポーズ。
2人は入籍します。
ところが、その直後に薫子は流産という大きな出来事を経験します。(フジテレビ)
この経験によって、薫子の中にあった「結婚すれば幸せになれる」という考え方は、大きく揺らいだのではないでしょうか。
特に印象的なのが、流産後に薫子が語った、
「誰かと一緒に生きるってことは、『自分の想い』や『自分の生き方』を捨てることじゃない」
という思いです。(フジテレビ)
これは薫子の人物像を大きく変える言葉だったと思います。
これまでの薫子は、「結婚」「子ども」「家庭」という目標を叶えることで幸せになれると思っていた。
しかし今は、結婚した後だからこそ、
「私は私の人生をどう生きるのか」
を考え始めています。
だから薫子は、3人の中で最も大きく変化する可能性がある女性なのではないでしょうか。
3人は性格が違うからこそ、親友でいられる?
麻紀、遥、薫子は性格がまったく違います。
麻紀は完璧主義で強気。
遥は自由奔放で感情的。
薫子は堅実で計画的。
だからこそ、3人で話していると意見がぶつかることもあります。
しかし、それぞれが自分にはないものを持っているからこそ、3人の友情は続いているのではないでしょうか。
麻紀にとって遥は、忘れていた「自由」を思い出させてくれる存在。
遥にとって薫子は、自分にはない「安定」や「安心」を持っている存在。
薫子にとって麻紀は、自分が思い描いていた「理想の人生」を手に入れたように見える存在です。
だからこそ、羨ましさも生まれます。
そして、その羨ましさが時には嫉妬や衝突につながる。
でも、3人は相手の人生を知ることで、
「隣の芝生が青く見えていただけだった」
と気づいていくのではないでしょうか。
実は3人とも「誰かのため」ではなく自分の人生を探している
ここまで3人を見てくると、共通点も見えてきます。
麻紀は「母親として生きること」と「自分自身の人生」の間で揺れています。
遥は自由を求めながら、恋愛や生活の安定にも心を動かされています。
薫子は結婚や家庭を望みながら、それだけでは幸せになれないことに気づき始めています。
つまり3人とも、
「私は本当はどう生きたいの?」
という問いを突きつけられているのです。
だからこのドラマは、単なる恋愛ドラマではないのだと思います。
35歳という年齢をきっかけに、人生を一度立ち止まって見直す物語。
公式も後半戦について、3人がそれぞれ自分の人生に向き合い、決断していく展開になるとしています。(フジテレビ)
3人の人物像を比較すると、それぞれの「足りないもの」が見えてくる
3人を比較すると、さらに面白いことが分かります。
麻紀が求めているもの
「自分自身の人生」
家庭を捨てたいのではなく、妻や母親以外の自分も取り戻したい。
遥が求めているもの
「安心できる居場所」
自由でいたい一方で、誰かに大切にされることも求めている。
薫子が求めているもの
「自分らしさを失わない幸せ」
結婚や家庭を望みながらも、自分の人生まで犠牲にしたくない。
こう考えると、3人はまったく違う女性に見えて、実は同じところを目指しているのかもしれません。
それは、
「自分が納得できる人生を選ぶこと」
です。
『Tokyo middle 30』は「35歳だからこそ」の物語
このドラマが多くの人に刺さる理由は、3人が完璧な女性ではないからではないでしょうか。
迷う。
嫉妬する。
後悔する。
強がる。
相手の人生が羨ましくなる。
それでも、友達と笑って、泣いて、また前を向く。
そんな姿がリアルだからこそ、35歳前後の女性だけではなく、もっと幅広い世代が自分自身を重ねられるのだと思います。
実際、公式サイトにも30代の視聴者から「自分も35歳」「こんな人生もあったのかも」と共感する声が寄せられています。(フジテレビ)
そして、3人の物語はまだ終わっていません。
第6話では麻紀が夫に内緒で仕事を始め、遥は晃之助との恋が進み、薫子は結婚後の人生に向き合う段階へ進みました。
ここから3人がどんな決断をするのかが、後半戦の大きな見どころになりそうです。
まとめ|3人は「違うからこそ」面白い
『Tokyo middle 30』の麻紀・遥・薫子は、性格も価値観も人生もまったく違います。
麻紀は、家庭を持ちながらも自分自身のキャリアを取り戻そうとしている女性。
遥は、自由を大切にしながらも、恋愛や安心できる居場所を求めている女性。
薫子は、結婚や家庭を夢見てきたものの、今は「自分らしく生きること」の意味を考え始めています。
3人に共通しているのは、35歳になった今、自分の人生をもう一度選び直そうとしていることです。
誰かと比べて幸せかどうかではなく、
「私はどうしたい?」
という気持ちに向き合う。
それが、この3人がこれから見つけていく答えなのではないでしょうか。
麻紀、遥、薫子のうち、最終的に一番大きく変わるのは誰なのか。
そして3人は、どんな人生を選ぶのか。
後半戦では、それぞれの恋愛だけでなく、仕事や家庭、そして3人の友情がどう変化していくのかにも注目したいところです。


