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『VIVANT』第16話ネタバレ・感想・考察|野崎と劉の「愛」はなぜ悲劇になった?乃木との共通点が怖い

エンタメ

『VIVANT』第16話は、これまで謎に包まれていた野崎の5年前の潜入捜査が描かれた。

第16話を見終わって強く感じたのは、単純に「劉が生きていたこと」や「堺雅人さんの一人三役がすごい」という驚きだけではない。

むしろ怖かったのは、人を思う気持ちが、いつの間にか執着や憎しみに変わってしまうことだ。

そして、この構図は乃木憂助とFの関係とも重なって見える。

第16話で描かれた「野崎と劉」の関係

5年前、北京で野崎は公安の任務に就き、その部下として劉銘軒と張競士がいた。

野崎は劉を可愛がっていた。

しかし、劉は単なる部下として野崎を慕っていたわけではなかった。

野崎に認められたい。

野崎の役に立ちたい。

その気持ちが強くなった結果、劉は危険な潜入捜査へと身を投じていく。

そして野崎は、劉が敵側に捕らえられたことを知り、救出しようと動いた。

ところが、野崎のもとに届いたのは劉の「死体」だった。

野崎にとっては、そこで劉との関係が終わったはずだった。

しかし、終わっていなかった。

第16話の最後で、劉が生きていたことが明らかになる。

しかも、現在の劉はシンシー側にいる。

ここが第16話最大の恐怖だった。

劉は野崎に捨てられたと思ったのではないか

ここからは私の考察だが、劉が抱えていた感情は単純な「裏切られた」という怒りではなかったのではないだろうか。

むしろ、

「自分は野崎にとって特別な存在だったはずなのに」

という思いが、年月をかけて歪んでしまったように見える。

野崎は劉を救おうとした。

しかし結果的には救えなかった。

一方の劉からすれば、自分が命を懸けたほど大切にしていた相手から、置き去りにされたように感じた可能性がある。

愛情が深ければ深いほど、裏切られたと感じたときの憎しみも大きくなる。

第16話は、その怖さを描いていたように思う。

そして怖いのが「乃木」と「劉」が似ていること

第1シーズンから野崎は、乃木について「自分が可愛がっていた後輩に似ている」と語っていた。

それが第16話で、まさか劉本人と乃木が同じ顔をしているという形で回収された。

しかも乃木は、野崎にとって現在の重要な存在になっている。

ここが非常に意味深だ。

劉からすると、

「自分と同じ顔をした男が、野崎のそばにいる」

ということになる。

もし劉が野崎への愛情を完全に捨てきれていないのだとしたら、乃木の存在は単なる偶然では済まされない。

嫉妬や執着を刺激する存在になっていても不思議ではない。

乃木と劉は「似ている」のではなく、同じ傷を持つ?

さらに考えると、乃木と劉にはもう一つ共通点がある。

どちらも、自分の存在を誰かに認めてもらおうとする部分を持っていることだ。

乃木には幼少期からの過酷な経験があり、Fという人格まで生まれた。

一方の劉も、野崎に認められたいという気持ちを強く抱えていた。

もちろん二人は全く違う人物だ。

しかし、

「誰かに必要とされたい」

という感情を抱えている点では重なる。

だからこそ、野崎が乃木を気にかける姿を劉が見たとしたら、そこに複雑な感情が生まれてもおかしくない。

第16話で野崎が背負っていたもの

今回、野崎の潜入捜査の目的も明らかになった。

5年前の野崎は、単純にシンシーを追っていたわけではない。

核融合技術をめぐる問題にもつながる、非常に大きな任務だった。

つまり野崎は、国のために動いていた。

しかし、その裏側では自分の部下を失っていた。

ここが野崎という人物の悲しさだと思う。

どれだけ正しい任務だったとしても、救えなかった人間がいる。

そしてその「救えなかった人間」が、5年後に敵として現れた。

野崎にとって第16話は、過去の任務の答え合わせではなく、過去に置き去りにしたはずの人間が現在に戻ってきた瞬間だったのではないだろうか。

「敵か味方か」が分からないのがVIVANTの怖さ

第16話を見て改めて感じたのは、『VIVANT』では「味方だから安心」「敵だから悪い」と簡単に割り切れないということ。

野崎にも守るべきものがある。

劉にも劉なりの正義や感情がある。

乃木もまた、自分自身の中にFという別の存在を抱えている。

それぞれが自分なりの理由で動いているからこそ、誰が完全な善で誰が完全な悪なのか分からなくなる。

そして、それこそが『VIVANT』の面白さだと思う。

第16話のラストは「劉が怖い」だけではない

劉が生きていたことには驚いた。

しかし、それ以上に怖いのは、

「5年前に終わったと思っていた関係が、実は終わっていなかった」

ということだ。

野崎は劉の死を受け入れた。

ところが劉は生きていた。

そして5年間、別の場所で生き続けていた。

野崎が忘れようとしていた過去を、劉だけは抱え続けていたのかもしれない。

そう考えると、第16話のラストは単なる衝撃展開ではなく、野崎が過去と向き合わされる瞬間だったように思う。

第17話では野崎と劉の関係が最大の焦点に?

第16話で野崎の過去が明らかになったことで、今後気になるのは「劉がなぜここまでシンシー側にいるのか」という点。

そしてもう一つ気になるのが、乃木と劉の関係だ。

同じ顔を持つ二人。

そして、その二人を知る野崎。

この三人の関係が、今後の物語で大きな意味を持つ可能性は高い。

特に劉が乃木をどう見ているのか。

単なる敵として見ているのか、それとも自分と野崎の関係を壊した存在として見ているのか。

ここは第17話以降、かなり重要になってくるのではないだろうか。

『VIVANT』第16話は、派手な謎解きだけではなく、「人を愛すること」と「その人に執着すること」の境界線を見せた回だった。

野崎が5年前に救えなかった劉。

そして現在、野崎の前に現れた劉。

この二人の再会が、これから何を引き起こすのか。

第17話では、野崎が過去の「救えなかった」という後悔と向き合うことになるのかもしれない。

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